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何はなくとも浸潤麻酔の腕を磨け!②

最終更新: 2019年10月16日

―手順をマスターしよう!―


患者の不快感を軽減させるため、

急速に広まりつつある「電動麻酔器」。

今回は、この電動麻酔器を使った治療の方法を紹介します。


まず、用意するものは以下の3つ。

1 電動麻酔器

 (例、日本歯科薬品製 アネジェクトⅡ)

2 麻酔針 30G(ゲージ)・ショート

3 麻酔薬

  (2%リドカイン8万分の1

   アドレナリン含有

   歯科用キシロカインⓇ

   カートリッジ

   または、

   3%プロピトカイン0.03U/ml

   フェリプレシン含有

   歯科用シタネスト‐オクタプレシン®カートリッジ)


治療の手順は、

① 針を曲げる

② 電動麻酔器を握る

③ 固定をとる(口唇の圧排)

④ 直視する

⑤ 第1刺入点に刺入する(粘膜麻酔)

⑥ 浸透させる(揉む、広げる)

⑦ 第2刺入点に刺入する(傍骨膜麻酔)

⑧ 第3刺入点に刺入する(歯根膜麻酔)



具体的に解説していきますね。

①針を曲げる

直線状の針は、そのまま使用すると手の固定点が取りにくいため危険です。

あらかじめ、刺入と固定がしやすい角度に曲げておきましょう。

ただし、針の先端は滅菌状態を保つことと、針刺し事故防止のため、針の根本が中央部までしか触れないように注意します。


②電動麻酔器を握る

握って確実に固定します。

握るタイプの電動麻酔器は重心の位置で握るため、軽く持つことができ、

刺入時の感触を手で感じることができます。


③固定を取る(口唇の圧排)

患者の頭がヘッドレストに確実に固定できているか確認します。

左手は頬骨や下顎骨を固定し、左指で口唇を圧排、

さらに、左手指先は歯槽粘膜に触れて、粘膜を圧迫します。


④直視する

固定をとった状態で刺入点は直視できているはず。

左手指先で圧迫した貧血帯は、

刺入の感覚を一時的に麻痺させることができます。


⑤第1刺入点に刺入する(粘膜麻酔)

第1刺入点は、歯肉頬移行部よりも5mm前後離れた頬粘膜。

歯槽骨にあてる必要はありません。

LOWモードでゆっくりと注入し、粘膜の盛り上がりを観察します。

多くの場合、アドレナリンにより粘膜が白くなりますが、

これは麻酔薬が滞留している目安になります。


⑥浸透させる(揉む、広げる)

第1刺入点での注入が終わったら、

いったん機会を安全な場所に置き、

盛り上がった粘膜を指でよく揉み、

麻酔薬を周囲の組織へよく浸透させます。


⑦第2刺入点に刺入する(傍骨膜麻酔)

第2刺入点は、頬側歯肉縁を結ぶラインと

歯の接触点を通る矢状面の好転となる歯槽粘膜。

刺入点より数ミリ根尖側にある歯槽骨頂に向けて

やや下向きに刺入します。

針の開口方向に注意しましょう。

※第2刺入点以降は、ポケットやほかの刺入点から

薬液が漏れることがあるので、

喉や舌に麻酔薬が触れないように吸引します。


⑧第3刺入点に刺入する(歯根膜麻酔)

第3刺入点はコンタクト直下の歯根膜を狙います。

針の向きをしならせて湾曲を強めに調整し、

歯根に沿って歯周ポケットに刺入します。

歯根粘膜に入ると抵抗があるので、針の中央部を指でガイドして

針を進めます。

刺入順序は、近心→遠心→その他、で行います。



文字だけで伝えるのは、なかなか難しいのですが、

イメージできましたでしょうか?


写真や図解付きで見たい、という方は、

「生活歯を残せる時代の5つのスキル」

鈴木彰著 クインテッセンス出版株式会社 



を参照してください。

使う器具から針の角度まで写真付きで解説されています。


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