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何はなくとも浸潤麻酔の腕を磨け!③ ―ポイントを押さえて、マスターしよう」






ポイント1:針先の切れ味が落ちていないか確認を!

当然ではありますが、麻酔針の切れ味が最も良いのは、開封後の1回目の刺入時です。


しかし、硬組織(骨)に挿入接触すると針先は曲がり、切れ味も落ちてしまいます。そのため、2回目以降の刺入時は、刺入時の抵抗が増し、歯肉組織の損傷が増加することも。


必要に応じて、針先の交換を行ってください。


特に多数歯、広範囲に麻酔をかける場合はしっかり確認を!




ポイント2:指で圧排して直視しよう

指による口唇や頬の圧排は、口角の痛みを感じにくいですが、ミラーなど金属の細くて硬いもので力を加えられると痛みを感じやすく、不快です。


また、ミラーでは横に引っ張る動作しかできませんが、指では押す、上下に広げるといった動作が可能で、視野の確保がしやすいのです。


どちらもちょっとしたポイントですが、ぐっと処置がしやすくなり、患者さんの苦痛も和らぎますので、要チェックです!


最後に、電動麻酔器の利点についてお話します。









 


メリット1:スピード調整が可能

低速&一定速度で麻酔薬を注入できるので、注入時の痛みはありません。

表面麻酔も必要ありません。


メリット2:麻酔薬の苦みが減少

軟組織からの麻酔薬の漏れが少ないので、麻酔薬液が少なくて済み、

漏れによる薬品の苦みも減少します。


メリット3:確実な作業が可能

浸潤麻酔だけでなく、歯根膜麻酔も確実に実施できます。



 


実は、従来の手動の麻酔器で処置する場合、その大半が漏れてしまいます。そのため、麻酔薬の注入量が多くなり、

周囲に広がりすぎて口唇のしびれが出る、

麻酔が切れるまで長い時間がかかるなどの症状が出やすいのが現状です。


また、手動麻酔器では、正確な固定が難しいため、

手がぶれて針先が上下してしまい刺入点がゆるくなり、

そこから薬液が逆流し、苦みを感じさせてしまうことがあります。


手動麻酔器では固くて刺入できない歯根膜も、

電動麻酔器ではトルクもあり、

当該歯の歯根膜の部分に30Gで入れることもできます。


このように、手動麻酔器のデメリットを電動麻酔器は解消しているため、

このメルマガでは電動麻酔器を推奨しています。

持っていない、という方も、

一度、手に取ってみてはいかがでしょうか?


*******


3回に渡って、お送りしました「浸潤麻酔」のお話。

上手くできるイメージが沸いてきましたか?


麻酔薬の苦さにギャーっとした経験、私もあります。

ほんのちょびっとでも苦いのに、

たっぷり逆流してしまうケースもあるとは…。

患者としては、浸潤麻酔上手な先生がどんどん増えてくれるとうれしいです。


覚えることだらけの4月だと思いますが、

腕の良い歯科医師になる近道は、

長く最前線で活躍している歯科医師の技を知ることだと思います。

自己流で試行錯誤するのは、時間も労力ももったいないですからね。







鈴木彰著 クインテッセンス出版株式会社 



この本では、歯科医師として33年活躍している著者が、疾患の掌握から主訴対応、治療、ポジショニングまで、写真や図解付きで分かりやすく解説しています。


現場で立ち往生してしまった方、今さら先輩に質問できない、などお悩みの方は、ぜひ手に取ってみてください。

教科書には載っていない、現場に即した「虎の巻」です!

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