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日本歯科麻酔学会理事として活躍する望月歯科医師講演会 2/3




今回は、

ベル歯科医院(神奈川県)で行われた講演会のお話の続きです。


日本歯科麻酔学会の理事を務めるなど、

広く活躍されている、静岡市清水区望月歯科の

望月亮(もちづきまこと)歯科医師を講師に招いて行われた講演会。


講演タイトルは

「歯科麻酔科医が描いてみせる キャリアパスの絵」。

いよいよ、講演内容編です。


*******


東京医科歯科大学歯学部1年生の時、

天皇の主治医を務めた歯科医師に

歯型彫刻を教えてもらったという望月歯科医師。


「僕は当時、技工が苦手で、

『こんなにヘタな人、見たことがない!

そういえばもう一人、

30年前に同じ名字でヘタな学生がいたなあ。

それは、君の親戚かい?』と言われたのですが、

それは僕の父親でした(笑)」。



そんな爆笑エピソードから始まった同講演会は


 ・歯科麻酔学ってなんだ?

 ・歯科麻酔のup to date

 ・歯科麻酔が描くキャリアパスの絵


の3本を柱に話が進められました。


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まず、歯科麻酔科医の仕事については


 ・口腔外科領域手術の全身麻酔、全身管理

 ・全身管理が必要な歯科患者の治療、管理

 ・顎顔面領域の疼痛治療

 ・多職種協働のキーマン


「通常の歯科診療が困難な患者さんの治療を安全に、

快適に行うこと」と紹介されました。


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その後、現状の麻酔薬剤の特徴や症例、

海外で取り入れられている麻酔薬についての話や

麻酔による原疾患の急性憎悪(もともとあった病気が悪化する)、

アナフィラキシーショック・誤飲・誤嚥などの診察時の緊急事態への

対応法などがレクチャーされました。


上記の緊急事態は、歯科医院で治せないものがほとんどなので、

速やかに救急車を依頼することが大切とのこと。



その際に、覚えておいてほしいことは、

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1)救急隊に伝えるべき患者の客観的な情報(バイタルサイン)を収集する。

例えば、

「〇時〇分に〇〇が起こり、〇分前は血圧が〇〇、〇分前は血圧が〇〇」

 と記録をとる。

2)心臓マッサージ、人工呼吸、AEDなど、救急蘇生を施す。

3)救急車の要請とバイタルサインの記録を続ける。


皆で熱くなるのではなく、

冷めた目で、冷静に見ることができる人が必要とのことでした。

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その他、局所麻酔を効かせるコツについても紹介されました。


 1.打ったあと時間をおく(特にシタネストは5分間は必要!)

 2.効きにくそうな予想を立てる(炎症組織、下顎大臼歯など)

 3.刺入時に手ごたえがないと効かない、その際には

   歯根膜内注射をする (変形ジェクトを利用する)


文字だけだと、イメージがわきづらいかもしれませんが、

これらを意識して、経験を重ねてくださいとのことでした。



そして講演会の最後に、望月歯科医師からのメッセージ。



「患者は歯科医師を出身大学で選ぶわけではないし、

歯科麻酔の認定医だから、という理由で

医院に来てくれるわけでもありません。


それより、私自身は

『先生が優しいって聞いたから』

『患者の話をしっかり聞いてくれると評判だから』

『地域でもいろいろ活動しているから』

そう聞いて通ってきてくれる方が嬉しいですね。



基本的な歯科治療技術に加え、

歯科麻酔医の仕事である全身管理なども、特別なことではなく、

歯科医師の一般的な素養に含まれると、

国民はこれから考えるでしょう。



私自身のキャリアパスの中で一番誇れるのは、

自分を信頼してくれる患者に支えられていることです。

その患者のことを把握しているかどうか、

それぞれの患者にテーラーメイドの対応ができているか、

ということが大切です。

私は、患者の名前を聞いたら、その人の背景、

口の中のことが全部分かる自信があります。



ある患者から、「予約をキャンセルしたい」と連絡がありました。

事前に、その方のお父さんが亡くなったという情報を

スタッフ間で共有していたので、

「この度はご愁傷さまでした」と声をかけることができました。

そんな、テーラーメイドな対応を一番大切にしています。



学んできた上辺の専門領域をひけらかせたところで、

たくさんの患者には支えてもらえないと思っています」。



あたたかい拍手の中、講演会は終了しました。


*******


日本歯科麻酔学会、日本麻酔科学会、日本障害者歯科学会ほか、

多数の学会で活躍し、多くの認定医資格を持ち、

開業医としても地域に親しまれている望月歯科医師から出た言葉。


ずしりときました。



そして、そんな思いでいてくださる歯科医師がいることは、

一市民として本当に嬉しいですし、ありがたく思います。

こんな医療従事者が増えてくださることを切に願います。


ブログを読んでくださった皆様にも、

何かが伝わりますように…。



もう一つ、ブログに書きたかったことは、

この後の懇親会のことなのですが、

そのお話は、また次回で♪

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